「やさしい」と言われるドライバーを使ってもスライスする人は小さめのヘッドがおすすめ
近年のドライバーは大型ヘッドが主流となり、ヘッド体積が460ccのモデルを使っている方も多いと思います。
大型ヘッドは寛容性が高く、ミスに強いと言われますが、それでもスライスやチーピンなどに悩む人が多いのはなぜなのでしょうか。
筆者も大型ヘッドのドライバーに変更してから方向性に悩まされた時期がありますが、実は一般的に“やさしい”と言われる大型ヘッドと相性の悪い人もいるのです。
今回は、ミスに強いドライバーを使っても方向性が安定しない原因と、そういった人におすすめのモデルを紹介します。
「やさしい」と言われるドライバー(ヘッド)の特徴
初心者やドライバーが苦手な人におすすめされるドライバーは基本的に大型ヘッドで、主に次のような特徴を持っています。
- 直進性が高い
- ミスに強い
- 球が上がりやすい
大型ヘッドは慣性モーメントが大きいことから、直進性が高いのが特徴。フェースの開閉を最小限に抑える効果があるため、打球の方向性を安定させやすいと言われます。
また、スイートエリアが広く、打点がズレても飛距離を落としにくくなっていることも強みです。さらに、重心深度が深くなることでフェースが上を向きやすく、ボールを高く上げやすくもなります。
飛距離や方向性・弾道の高さが安定しやすいのが大型ヘッドのメリットですが、中には逆にスライスしてしまう人も意外と多くいるようです。その原因を次章で解説します。
慣性モーメントが大きい=「自動的にまっすぐ飛ぶ」ではない
「慣性モーメントが大きい」という点を謳い文句にしているモデルは多いですが、どんな打ち方をしても曲がらないというわけではありません。
筆者を含め多くのゴルファーが勘違いしがちですが、どんなに慣性モーメントが大きくても、インパクトでフェースが開いたりカット軌道の打ち方をすればスライスします。それを嫌がってフェースを返すことで、今度はフックやチーピンのミスが出る人も多いのではないでしょうか。
慣性モーメントが大きいヘッドが直進性に優れていると言われるのは、芯を外してもヘッドがブレにくいというだけで、あくまでフェースがスクエアで正しい軌道のスイングをすることが前提です。
大型ヘッドのモデルはフェースが返りにくい(スライスしやすい)
慣性モーメントの大きいヘッドはフェースの開閉を抑える効果があるとお伝えしましたが、裏を返せばフェースを閉じる動きもしづらいということです。
つまり、バックスイングでフェースを開くタイプの人にとってはインパクトでフェースが返りきらず、かえってスライスしやすいということがいえます。
反対に、テークバックからインパクトまでフェースを閉じた状態でスイングする人は、大型ヘッドと相性が良いといえるでしょう。
特に、フックグリップでフェースを閉じたままスイングをする人は大型ヘッドの特性を活かせるはずです。
フェースを開閉するスイングタイプの人は小さめのヘッドがおすすめ
大型ヘッドでスライスすることが多い人は、スクエアグリップやウィークグリップでクラブを握っていないでしょうか?これらの握り方は、バックスイングからトップにかけてフェースを開くスイングタイプのため、慣性モーメントの大きい大型ヘッドが合っていないかもしれません。
筆者もスクエアで握るタイプだったため、ややフックグリップに変えたところ方向性が安定しました。
ただし、グリップ方法を変えるとスイングも大きく変化するため、違和感を感じることがあります。そこでおすすめなのが、小さめのヘッドを搭載したドライバーです。
ヘッド堆積が440cc以下のモデルは操作性が高く、重心距離も短めでフェースを返しやすいのが特徴。「大型ヘッドに変えたらスライスしやすくなった」という方は、ミニドライバーなど小さめのヘッドを試す価値ありです。
ヘッドが小さめのおすすめモデル
最近ではミニドライバーが注目されるなど、小さなヘッドのモデルを求める人が増加しているようです。
ここでは、ヘッドが小さめのモデルの中からおすすめのドライバーを紹介します。
1.テーラーメイド BRNR ミニドライバー

(引用:テーラーメイドゴルフ)
ヘッド体積304ccの小ぶりなヘッドが特徴のミニドライバー。重心距離も短く、フェースターンしやすいモデルです。
43.5インチと扱いやすい長さなので、ミート率を上げたティーショットをするのに向いています。ロフト角は11.5°と13.5°の2種類がラインナップされており、好みの弾道に合わせて選択可能です。
2.ピン G430 LST

(引用:PING)
ヘッド体積440ccの小さめヘッドで操作性に優れたモデル。ピンは大きな慣性モーメントで直進性に特化したモデルが多いですが、その中でも操作性を重視しているのがこのモデルです。
フェースを返しやすいだけでなく、スピン量を抑えた低弾道の強い球を打ちやすいので、ドライバーでボールが吹き上がるような人にも向いています。
3.タイトリスト TSR4

(引用:タイトリスト)
ヘッド体積430ccの小ぶりヘッドが特徴のモデル。振り抜きやすいため、フェースローテーションを使ったスイングとの相性は抜群です。
また、ボールの吹き上がりを抑えた低スピン重視モデルでもあるため、スピン量が多くて飛距離や方向性が安定しない方はぜひ試してみてください。
まとめ
慣性モーメントが大きい大型ヘッドのドライバーで打球が安定しない人は、やや小ぶりなヘッドを試すことで改善できる可能性があります。
特に、フェースを開閉してスイングするタイプの人は当てはまることが多いので、小さめのモデルも検討してみてください。
小ぶりなヘッドはミスへの寛容性が少ないことから、中・上級者しか扱えないと思われがちですが、意外とマッチするかもしれませんよ。