左手首の「掌屈」はドライバーのスライス改善に効果的!ただし注意点もあり

ゴルファー全体の7割以上が悩むドライバーのスライス。初心者に限った場合は、実に9割がスライサーとも言われています。

そんなスライス改善に効果があるとされ、近年流行っているのが左手首の「掌屈(しょう

くつ)」です。

筆者も気を抜くとすぐ右の林へ飛んでいくスライサーの1人なので、練習で掌屈を取り入れてみました。

この記事では、ゴルフの掌屈についてメリットやデメリット・注意点を解説したいと思います。

ゴルフの掌屈とは

掌屈とは、ゴルフのスイングにおいて、左手首を手のひら側に折る動きのことを指します。

具体的には、トップの位置で左手の甲が地面を向き、手首がまねき猫の手のような形になるのが掌屈です。

右手首は、逆に手の甲側に折れる「背屈(はいくつ)」の形になります。

この形がなぜスライス改善に効果的かというと、トップでフェースが自然と閉じるためです。

そのまま体の回転でスイングすれば、フェースが閉じた状態でインパクトできるようになり、スイングでフェースの開閉をする必要がなくなるため、スライスが出にくくなります。

実際、私が掌屈を入れてドライバーを打ってみたところ、確かに方向性は良くなりました。

最近のドライバーはヘッドの大型化が進んだことで、フェースの開閉をしない掌屈の動きと相性が良いと言われるのも納得です。

掌屈のメリット

スイングに掌屈を取り入れるメリットは、前述の通り、フェースの開閉をしないので「打球の方向性が安定する」ことが最大の強みです。

特に、スイング中にフェースが開いて右へのミスが多い方に高い効果を発揮します。

しかし、掌屈のメリットはこれだけではありません。

以下の3つのメリットもあるので、それぞれ紹介します。

スイングの再現性が高い

掌屈はスイングをとてもシンプルにできることもメリットです。

トップで作った手首の角度をキープしたまま体の回転で打つため、スイングの再現性が上がります。

アームローテーションを積極的に使うスイングは、タイミングがズレればダフリやトップなどのミスショットになりがちです。

コースでミスが出ると、あれこれ考えすぎてしまうことでさらに悪影響となります。

こういった傾向のある方は、掌屈を取り入れることでスイングがシンプルになり、ミート率を上げることができるでしょう。

自然とハンドファーストで打てる

掌屈の形はインパクトで自然とハンドファーストの形になります。

ハンドファーストは、ボールの上がりすぎを防ぎ、強い弾道でショットできるため、飛距離を伸ばすには必須の形です。

切り返しで手首が早めに解けてしまう方は、体の回転を使ったスイングができていないことが多いため、ハンドファーストの形を身につけるのに掌屈が役立ちます。

オーバースイングを改善できる

実際に掌屈を取り入れて分かったことが、オーバースイングの抑制にも効果があるということ。

筆者はもともとバックスイングが大きくなる癖があったのですが、掌屈を入れると「これ以上クラブを上げられない」という位置で自然と止まることができました。

これは、トップでヘッドが頭より前に出る「シャフトクロス」にも効果があるので、バックスイングが原因で打球が安定しない方にもおすすめです。

掌屈のデメリット

掌屈のデメリットは、習得が難しいということです。

本来掌屈は、ヘッドの重みを生かして自然と手首が折れるのが理想とされているため、無理やり掌屈を入れようとするとミスが出やすくなります。

特に出やすいのが、右プッシュ。

これは、掌屈した時の手の甲が前を向いていると、フェースが右を向くので起こりやすくなります。

フェースが閉じるはずの掌屈で打球が右へ飛ぶ出す場合は、左手の甲が下を向いているか確認してみましょう。

そして、少し不安に感じたのが、手首への負担です。

特に左手首を手のひら側に折った状態でスイングするので、ダフったときの衝撃がダイレクトに手首に伝わります。

慣れないうちは、ハーフスイングから試してみるのが良いでしょう。

勘違いしがちなのが、ゴルフのスイングにおいて、掌屈の意識は必須ではないということです。

プロやレッスン動画などで掌屈を取り入れる人は多いですが、スイングの癖によっては逆効果になる場合もあります。

今のスイングで弾道が安定しているなら、無理に掌屈を入れる必要はないですよ。

【掌屈の注意点】グリップによる相性の違い

掌屈との相性を考えた場合、大きく関係するのがグリップの仕方です。

ゴルフのグリップは、大きく以下の3種類に分けられます。

  • ウィークグリップ
  • スクエアグリップ
  • スロトンググリップ(フックグリップ)

この中で、掌屈との相性が良いのは、ウィークグリップとスクエアグリップです。

ストロンググリップは、もともとフェースを閉じた状態で構える握り方なので、強いストロンググリップの人が掌屈を入れると、とてつもないフックやチーピンが出やすくなります。

ストロンググリップの方は、掌屈を入れないか、スクエアグリップ・ウィークグリップの握り方に変えて試してみてください。

まとめ

ゴルフの掌屈は、近年流行っているスイング方法のひとつです。

主にスライスに悩む人に合っている動きなので、ボールをつかまえて飛距離アップを目指したい方は、ぜひ練習に取り入れてみてください。